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ロングインタビュー

退部選手インタビュー Part.1 安井 龍太選手/西林 宏祐選手

 取材日:2020年5月26日

退部選手インタビュー Part.1 安井 龍太選手/西林 宏祐選手

この8年間はかけがえのないものです。すべての方々に感謝しています。

安井龍太

RYUTA YASUI

PROFILE
  • 1989年12月6日生まれ、京都府京都市出身
  • 京都市立西京極中学→東海大仰星高校→東海大学→神戸製鋼コベルコスティーラーズ(2012年入部/8年間在籍)
  • ポジション/FL
  • 2019−2020シーズンまでの公式戦出場回数/93
  • 代表歴/2
8年間、お疲れ様でした。今の心境をお聞かせください。

「先輩、後輩に恵まれ、ラグビー界のレジェンドであるDC(ダン・カーター)をはじめ世界のトッププレーヤーとラグビーができ、多くのことを学びました。コベルコスティーラーズに在籍した8年間はかけがえのないものです。チームメイト、スタッフ、社員の皆様、ファンの皆様には感謝の気持ちでいっぱいです」

入部4年目の時にプロに転向されたんですよね。

「そうです。トップリーグのレベルが上がってきて、このままでは通用しなくなると思い、ラグビーにもっと時間を費やしたいとプロに転向しました。ただ、社員として働いたことは、本当に良い経験になりました。短い期間でしたが、社会人としての基礎を学ぶことができましたし、この3年間で社員の方々のラグビー部に対する思いを感じ、プロに転向してからもずっとその気持ちに応えようと頑張ってきました。あと、レガシー活動で事業所を訪問した時に、同期入社の社員の方々に声をかけられたことも嬉しかったです」

もっとも印象に残っている試合を教えてください。

「難しいですね。1つに絞れないくらいたくさんあります。すぐに頭に浮かぶのが、入部1年目の2012-2013シーズンのトップリーグ開幕戦です。先発出場し初めて公式戦を経験したことで、トップリーグでも『やっていける!』と自信を得ることができました。それと、2014-2015シーズンのトップリーグ1stステージ第5節のサントリー戦も。久しぶりにサントリーに勝利することができた試合です。入部してからサントリーに勝ったことがなかったので、とても嬉しかったことを覚えています。あと、公式戦ではありませんが、2015年7月に開催された『ジャパンセブンズ2015』も!1時間ほどしか7人制の練習をしていないのに、まさかの優勝(笑)!モーリシャス共和国で行われた10人制の国際大会も楽しかったですね。印象に残っている試合は数えきれないくらいたくさんあります」

ちなみに、コベルコスティーラーズでの公式戦100試合出場まであと7試合でした。

「『トップリーグカップ2019』が終了した時点で92試合だったので、いけるんじゃないかと密かに思っていたのですが...。100試合を達成できなかったことは残念ですし、心残りです」

コベルコスティーラーズで学んだことを教えてください。

「大学でラグビーのベースができて、その上で考えてプレーするということを学びました。この8年間でいろいろなタイプのヘッドコーチから指導を受けました。ヘッドコーチが変わるごとにチームの目指すラグビーも変わりますので、それに順応するためには考えてプレーしないといけません。特にこの2年間はチームが大きく変わり、学ぶことがとても多かったです」

2年間でチームはどう変わったと思いますか?

「ラグビーのシステムはもちろん、レガシー活動を行ったり、グラウンドやトレーニングルームの呼び方を変えたり、グラウンド内外問わず、すべてのことが変わりました。神戸製鋼コベルコスティーラーズとはどういうチームなのか、誰のためにラグビーをしているのかなどを認識させられ、ウェイン(・スミス総監督)から勝者のマインドを植え付けられたように思います。2018-2019シーズンのトップリーグ優勝は勝つべくして勝ったという感じがしますね。僕は決勝戦のメンバーに入ることはできなかったですが、日本一になるチームを作ってきて、それを達成することができ、心から嬉しかったです。それと同時に、いろいろなことをとことん突き詰めていかないと優勝はできないということがよくわかりました」

印象深い2年間だったと。

「とても印象深いですね。試合に出られないという経験をしたのも初めのことでしたし...。悔しい思いもしましたが、ウェインやデーブ(・ディロンヘッドコーチ)がチームに持ち込んでくれたものはすべて新鮮で、毎日が充実していました」

8年間は長かったですか?

「びっくりするくらいあっという間でしたね。毎年変化があって、いろいろなことを学べて、最高の8年間でした」

今後はどうされるのでしょうか?

「ラグビーを続けます。その上で1年でも長く現役を続けたいと思っています。ただ、そのためには1年1年結果を出させなくてはいけませんので、先を見据えるのではなく目の前の1年を精一杯やっていきます。『常に成長する』というマインドで、昨日の自分を超えていけるようにこれからも頑張ります!」

チームメイトにメッセージをお願いします。

「高校、大学とずっと一緒にプレーしてきた前川(鐘平)さん、高校の先輩である山中(亮平)さん、良き先輩でありライバルで、兄貴のような存在だった(谷口)到さんを筆頭に、素晴らしい仲間に巡り会えて幸せでした。8年間、お世話になりました!」

では最後にファンの皆様へメッセージをお願いします!

「試合会場での熱狂的な応援、イベント等での交流を通じて、チームが愛されていることをひしひしと感じました。このようなチームでプレーでき、幸せな8年間を送ることができました。ファンの皆様、僕がこのチームでプレーしていたことを忘れないでくださいね。そして、これからもコベルコスティーラーズの応援をよろしくお願いします!ありがとうございました!」

6年間、いろんなことがありましたが、充実した時間を過ごすことができました。

西林宏祐

KOSUKE NISHIBAYASHI

PROFILE
  • 1990年8月31日生まれ、大阪府大阪市出身
  • 同志社中学→同志社高校→同志社大学→神戸製鋼コベルコスティーラーズ(2014年入部/6年間在籍)
  • ポジション/HO
  • 2019−2020シーズンまでの公式戦出場回数/26
6年間、お疲れ様でした。この6年間は長かったですか?それとも短かったのでしょうか?

「長かったようで、短かったです。あっという間の6年間でした。毎年のように怪我をして思い通りにいかないことが多かったのですが、リハビリ期間中もレギュラーを取ることばかり考えてポジティブに取り組んできたので、後悔や悔しい気持ちはありません。チームや会社に対して感謝の気持ちでいっぱいです。6年間、充実した時間を過ごすことができました。今後はコベルコスティーラーズで学んだことを活かして社業で頑張ります」

2年前にフッカーに挑戦しました。フッカーへのコンバートはどうでしたか?

「フッカーでプレーした2年間は試行錯誤しながら、スクラムやスローイングの技術習得に取り組みました。フッカーは専門職なので、スキルを会得するのが難しかったですが、新しいことに挑戦できて楽しかったです。また、何もわからない状況だったので、フッカーの先輩や同期にいろいろ聞きながら、みんなと自主練習をすることも新鮮でした。それに、フロントローはみんな仲が良くて、よく集まって食べたり飲んだりするんです(笑)。それも楽しかったですね。フッカーとして試合にはあまり出場することはできなかったですが、転向したことを後悔していないですし、たくさんの良い思い出もできました」

もっとも印象に残っている試合を教えてください。

「2つあるのですが、まず1つ目は公式戦デビューを果たした『第52回日本選手権大会』1回戦の慶應大との一戦です。入部1年目の夏合宿の練習試合で足を負傷し、長期間戦線離脱していました。復帰してすぐにメンバーに選んでいただき、試合には後半から出場したのですが、とにかく走れなくて...(苦笑)。試合を観に来てくれていた大学時代の仲間も、あまりのフィットネスのなさに驚いていました。2つ目は、(谷口)到さんに対し感謝の気持ちでいっぱいになった試合です。2016−2017シーズンのトップリーグ第13節の近鉄戦で、僕はNo.8、到さんはロックで出場しました。後半20分過ぎに、僕は相手からタックルを受け脳震盪を起こしたんですが、そのことに到さんだけが気付いてくれて、一連のプレーが終わるまでラック周辺を必死で守ってくれていたんです。到さんのお陰でピンチを切り抜けることができました」

特に印象深いシーズンはいつになりますか?

「優勝した2018−2019シーズンです。日本一になったという理由だけでなく、首脳陣がどういうラグビーをしたいのかをしっかり理解した上でラグビーができた1年だったからです。練習中でもプレーを止めてコーチが1つ1つ説明してくれるので、全員がちゃんと納得し、目指すラグビーを体現できた。ウェイン(・スミス総監督)やデーブ(・ディロンヘッドコーチ)が標榜するラグビーはプレーしていて楽しかったですし、良い経験にもなりました」

コベルコスティーラーズで学んだことは何ですか?また、得たものを教えてください。

「学んだことは、自分で考えて自主練習のメニューが組めるようになったことです。自分のプレーの良いところ、足りないところを分析して、目標に向かってプランニングができるようになりました。これはラグビーにかかわらず、社会人としても大切なことだと思いますので、仕事に活かしていきたいです。得たものについては、コベルコスティーラーズに入部し、いろいろな人に出会うことができました。多くの方々と出会えたことは宝物であり、財産です」

今後、チームに期待することとは?

「もちろん、優勝です!チームが優勝すると、社内が活気づきます。昨シーズン優勝した時に、多くの方々からラグビー部の試合を観て『元気が出た!』『勇気付けられた!』と言ってもらいました。社員にとって、ラグビー部は特別な存在であるので、会社のためにもぜひ連覇を達成してほしいと思います」

チームメイトにメッセージをお願いします。

「後悔がないように1日1日を大切にこれからも取り組んでいってほしいと思います。自分ができる最大限の力を出して成長し続けてください!そして、連覇を達成してください!」

では最後にファンの皆様へメッセージをお願いします。

「試合会場やイベント等でいつもあたたかい声をかけていただき、ありがとうございました。すべての言葉が嬉しくて、『頑張ろう!』という気持ちになれました。これからもコベルコスティーラーズを見守っていただきますよう、よろしくお願いします!」

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