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ロングインタビュー

2020年度新加入選手インタビュー Part.2 中孝祐選手&濱野隼大選手

 取材日:2020年4月22日

2020年度新加入選手インタビュー Part.2 中孝祐選手&濱野隼大選手

2020年度新加入選手インタビュー第2弾は、関西学院大学出身のトライゲッター、中孝祐選手とニュージーランドで4年間プレーしたチーム最年少の逆輸入プレーヤー、濱野隼大選手をご紹介します。

電話取材を行い、自身の持ち味や今後の目標などを語ってもらいました。

負けが続き悔しさを感じた大学時代コベルコスティーラーズで活躍を誓う

中 孝祐

Kosuke Naka

PROFILE
  • 1997年5月6日生まれ(22歳)、大阪府東大阪市出身
  • OTJラグビースクール→東海大学付属仰星高校・中等部(現 東海大学付属大阪仰星高校・中等部)→東海大学付属仰星高校(現 東海大学付属大阪仰星高校)→関西学院大学
  • ポジション/WTB
  • 身長・体重/177cm・88kg
  • 代表歴:U20日本代表、関西学生代表、7人制日本代表
ラグビーが盛んな東大阪市出身なんですね。

「そうなんです。だけど4年の時に奈良県生駒市に引っ越しをしたんです」

ラグビーはいつからはじめましたか?

「幼稚園年長からです。幼稚園の友達がラグビーをしていて、その子に誘われてラグビースクールに通うようになりました」

中学は東海大学付属仰星高校・中等部に進んだんですね。

「中学でもラグビーを続けようと思っていたのですが、家の近くにある学校にはラグビー部がなくて、それで東海大学付属仰星高校・中等部に行くことにしたんです。小学生の時は遊び感覚でラグビーをしていましたが、中学は取り組み方がまったく違いました。そこで上手くなろうと本気で練習するようになり、プレーのレベルが上がりました。東海大学付属仰星高校・中等部に進んだことはラグビー人生においてターニングポイントだったように思います」

進んだ東海大学付属仰星高校では3年の時に全国高校ラグビー大会で優勝しました。

「優勝した時は嬉しかったのですが、今となっては過去の栄光です。大学時代にあまり良い成績を残せていませんから」

関西学院大学に進んだ理由とは?

「入学当時は大学を卒業したらラグビーを辞めようと思っていたんです。関西学院大学は就職率もいい。そういう理由から進みました。だけど、どんどん気持ちが変わっていきました。大学では1年から試合に出させてもらっていましたが、1、2年の時はまったく勝つことができなくて...。高校3年の時は春の選抜大会、夏の7人制高校ラグビー、冬の花園と公式戦無敗だったので、負けに慣れていなくて落ち込むことが多かったです。そういう中で、高校時代のチームメイトたちは関東のチームで活躍し、良い成績を残していました。『負けたくない』という気持ちが出てきて、大学を卒業したらトップリーグのチームに入って、そこで彼らに勝ちたいと思うようになりました」

大学時代は悔しさの方が大きいと。

「そうですね。ただ、4年の時は関西大学リーグで3位になり、初めて大学選手権に出場できました。学生生活最後の年に1つ目標を達成でき嬉しかったです」

U20日本代表や7人制日本代表にも選ばれました。どういうところが大学時代、成長できたと思いますか?

「フィジカルです。トレーニングを毎日欠かさずして、フィジカルが強くなったと思いますね」

U20日本代表ではFBで試合に出場していましたね。

「WTBもFBも両方できますが、どちらかというとWTBの方が好きです」

自身の持ち味は?

「そこまで足が速くないので、フィジカルをいかして、相手に捕まってもドライブしゲインラインを越えるところだと思います」

コベルコスティーラーズに入部し、今後は活躍の場がトップリーグになります。どこを磨いていきたいと思っていますか?

「いろいろありますが、まずはスピードを上げたいですね。あとは、体の使い方などを体得したいと思います」

理想とする選手像があれば教えてください。

「『ラグビーワールドカップ2019日本大会』で活躍したレメキ ロマノ ラヴァ選手のようなWTBになりたいと思っています。体重は僕の方が軽いのですが、身長はほぼ同じ。レメキ選手のようなスピードがあって、力強いプレーができるようになりたいですね」

ずばりライバルは?

「同じポジションの選手全員がライバルです。山下楽平さんや井関信介さん、アタアタ・モエアキオラさんをはじめ、WTBは層が厚いですが、そこでレギュラーを勝ち取ることができるよう頑張ります!そのために一発のタックルで倒れない体をつくり、パスをつなぐコベルコスティーラーズのラグビーを極めていけるようにしたいです」

ちなみに練習に参加したことはあるのでしょうか?

「12月に一度、粥塚(諒)と一緒に参加させていただきました。クラブハウスにダン・カーター選手やブロディ・レタリック選手といったワールドクラスの選手がいて、改めてすごい環境でラグビーができるんだと思いました。高いレベルでラグビーをし、切磋琢磨できることが楽しみです!」

今シーズンの目標とは?

「試合に出ることが大きな目標です。試合に出てチームの勝利に貢献したいと思います」

現在、チームでの活動は休止していますが、一番会いたい選手は誰ですか?

「アタアタさんですね。東海大学出身の友人から優しくてとても良い人だと聞いています。同じポジションなので、いろいろと教えてもらいたいと思います」

では最後にファンの皆様方へメッセージをお願いします。

「『こうすけ』と名前で呼んでください!ただ、大人しい性格ですので、お手柔らかにお願いします(笑)。新型コロナウイルスの流行が終息し、1日も早くグラウンドで皆様と会える日を楽しみにしています。応援よろしくお願いします!」

本場仕込みのフィジカルの強さが持ち味!目指せ!和製アントン・レイナート ブラウン

濱野 隼大

Junta Hamano

PROFILE
  • 2001年5月2日生まれ(18歳)、兵庫県三田市出身
  • 三田ラグビースクール→ロトルアボーイズハイスクール
  • ポジション/CTB、WTB
  • 身長・体重/180cm・93kg
  • 代表歴:ジュニア・ジャパン
濱野選手のこれまでのラグビー人生について伺いたいのですが、競技をはじめたのはいつからですか?

「幼稚園の年長からです。兄が三田ラグビースクールの部員募集の案内をもらってきて、両親に連れられて2人で見学に行ったことがきっかけです。当時は楽しいと思えなくて、泣きながら練習に行っていました」

楽しくなったのは?

「小学校に入った頃からスクールに友達が増えて、遊び感覚でプレーしラグビーが楽しくなっていきました」

ニュージーランドでプレーしようと思ったきっかけを教えてください。

「三田ラグビースクールはオーストラリアのチームと交流があり、高学年になると2年に一度遠征に行くんです。それで5年の夏休みに1ヶ月ほどオーストラリアに行き、試合を経験しました。日本でやっているラグビーと違って、向こうのラグビーは自由で、とても楽しかった。それが忘れられなくて高校留学を考えるようになり、中学2年の夏休みに下見を兼ねてニュージーランドへ短期留学をしました」

ニュージーランドへの短期留学はどうでしたか?

「登校初日は『なんだ、この日本人は?』という感じで見られていたんですが、はじめて出た試合でトライを決めて活躍したら、翌日、みんなから声をかけられて、一気にたくさんの友達ができました。その後、コーチから9月に行われる北島の大会に出てくれないかと誘われたんです。もともと8月末に帰る予定だったのですが、2週間ほど帰国を延ばして、その大会に出場しました。大会前には合宿するなど、とても楽しくて、この環境でずっとラグビーがしたくなり、中学2年の3学期に再びニュージーランドへ渡り本格的な留学生活をはじめました」

言葉の面で苦労しなかったのでしょうか?

「英語は得意だったのですが、実際にニュージーランドへ行ったら、全然通じなくて、最初は大変でしたね。だけど、3ヶ月ほどで聞き取りができるようになり、言いたいことも徐々に伝えられるようなりました」

ラグビーの面ではどうだったのでしょうか?また、日本でいうところの1軍である「ファースト・フィフティーン」にはすぐに入ることができましたか?

「『ラグビーアカデミー』というラグビーの授業があり、毎日1時間、スキルの練習をするんです。どんどん上手くなっている手応えがありました。『ファースト・フィフティーン』には2年目で入ることができました。ただ、『インターナショナル』という外国人選手枠があり、外国人選手は試合に2人しか出場できないんです。毎年、トンガやフィジーから留学生がたくさんやってくるので、試合に出るのはなかなか難しかったです」

ベイ・オブ・プレンティU16やチーフスU18にも選ばれているんですよね。

「ベイ・オブ・プレンティU16は学校の試合で活躍した選手が選ばれて、何週間か練習に参加しメンバーが決まるんです。地域のいろいろな学校から良い選手が集まってくるので、高いレベルで経験を積むことができました。チーフスU18はさらにレベルが上がります。これも良い経験になりました」

ポジションはずっとCTBだったのでしょうか。

「中学まではSOやFBだったのですが、ニュージーランドに行ってからCTBをするようになりました。それからはずっとCTBだったのですが、高校3年の時はWTBで試合に出ることも多かったです」

コベルコスティーラーズ入部のきっかけは?

「ロトルアボーイズハイスクールの監督が(デーブ・)ディロンヘッドコーチと知り合いだったんです。僕が出ている試合の動画をディロンヘッドコーチが見て、それで声をかけていただきました。高校卒業後はニュージーランドの大学に進もうと思っていたので随分と悩みましたが、コベルコスティーラーズにはダン・カーター選手をはじめ、世界トップレベルの選手がたくさんいるので、いろいろと学べて成長できるんじゃないかと思い入部を決めました」

チームにはいつ合流したんですか?

「昨年11月末に高校を卒業し、12月から時々練習に参加させてもらっていました」

カーター選手とは話をしましたか?

「はい!すごく優しくて、『わからないことがあれば何でも教えてあげるから』と声をかけてもらいました。プレーはすごいし、人間性も素晴らしくて感動しました。だけど、教えてもらう前にシーズンが終了してしまったので残念です」

コベルコスティーラーズのラグビーの印象は?

「ボールを動かし続けてトライを取るラグビーですね。やっていて楽しいです!」

プレーの持ち味を教えてください。

「フィジカルをいかしてゲインラインを越えていくところです」

ニュージーランドで体の大きな選手と対峙してきてフィジカルの強さには自信があるのではないですか?

「ニュージーランドでは毎日のようにジムに通ってトレーニングをしてきましたし、体重も4年間で30kgくらい増えました。ジュニア・ジャパンやU20日本代表で試合をして、フィジカルは通用すると感じたので、そこは強みだと思います」

これから身につけていきたいことや理想とする選手像を教えてください。

「たくさんありますね。一番の課題はディフェンスです。高校2年の時に右肩を脱臼し、手術をしました。それからタックルに対して苦手意識が生まれてしまったんです。そこは改善していき、得意といえるようになりたいです。理想とする選手像は、オールブラックスのアントン・レイナート ブラウン選手のようなCTBです。フィジカルが強くて、オフロードも上手くて、ボールキャリーもできる。近づいていけるように頑張ります!」

では最後にファンの皆様へメッセージをお願いします。

「1日も早く試合に出て、コベルコスティーラーズで活躍したいと思います。トップリーグ優勝を目指して頑張りますので、これから応援よろしくお願いします!」

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