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ロングインタビュー

ジュニア・ジャパン「ワールドラグビー パシフィック・チャレンジ2020」初優勝トーク 日下太平選手×松岡賢太選手×濱野隼大選手

 取材日:2020年3月27日

ジュニア・ジャパン「ワールドラグビー パシフィック・チャレンジ2020」初優勝トーク 日下太平選手×松岡賢太選手×濱野隼大選手

20歳前後の選手で編成されたジュニア・ジャパンにコベルコスティーラーズから日下太平選手と2020年度新加入選手の松岡賢太選手、濱野隼大選手が選ばれ、フィジーで開催の「ワールドラグビー パシフィック・チャレンジ2020」に出場しました。

ジュニア・ジャパンは、3月6日、初戦でトンガAを46−10で下すと、10日に行われたサモアA戦では相手をノートライに抑えて76−3で快勝。
14日の最終戦は大会4連覇中のフィジー・ウォリアーズとの一戦です。
残念ながら日下選手はメンバーから外れてしまいましたが、松岡選手と濱野選手は先発出場し、ジュニア・ジャパンは21−12でフィジー・ウォリアーズを破り、同大会で初めて頂点に立ちました。

『HEROラグビー』を掲げ大会に臨み、グラウンドでそれを体現し見事優勝を手にした3選手に「ワールドラグビー パシフィック・チャレンジ2020」を振り返ってもらいました。

日下 太平

Taihei Kusaka

PROFILE
  • 1999年11月8日生まれ(20歳)、神奈川県出身
  • 鎌倉ラグビースクール→関東学院六浦中学校→関東学院六浦高校→クライストチャーチボーイズハイスクール→神戸製鋼コベルコスティーラーズ(2018年4月入部)
  • ポジション/CTB
  • 身長・体重/182cm・94kg

松岡 賢太

Kenta Matsuoka

PROFILE
  • 1997年6月6日生まれ(22歳)、大阪府出身
  • 吹田ラグビースクール→吹田第一中学校→京都成章高校→明治大学→神戸製鋼コベルコスティーラーズ(2020年4月入部)
  • ポジション/HO
  • 身長・体重/175cm・99kg

濱野 隼大

Junta Hamano

PROFILE
  • 2001年5月2日生まれ(18歳)、兵庫県出身
  • 三田ラグビースクール→ロトルアボーイズハイスクール→神戸製鋼コベルコスティーラーズ(2020年4月入部)
  • ポジション/CTB、WTB
  • 身長・体重/180cm・93kg
ワールドラグビー パシフィック・チャレンジ2020」優勝おめでとうございます。松岡選手と濱野選手は、オフィシャルサイト初登場となりますので、ファンの皆様に向けて自己紹介をお願いします。

松岡「明治大学出身の松岡賢太です。出身は大阪府吹田市。重一生選手も通っていた吹田ラグビースクールでラグビーをはじめました。ポジションはフッカーです。プレーの持ち味はフィールドプレーです。あと、好きな食べ物はたこ焼きです!」

好きな食べ物の情報までありがとうございます(笑)!続いて濱野選手、よろしくお願いします。

濱野「兵庫県三田市出身で、三田ラグビースクールでプレーしていました。中学2年の時にニュージーランドへ渡り、ロトルアボーイズハイスクールに留学しました。ポジションはセンター、ウイングです。ニュージーランドで体の大きな選手と一緒にプレーし、フィジカルが鍛えられました。フィジカルの強さが持ち味です」

ジュニア・ジャパンで一緒に活動した日下選手から見た両選手はどんなキャラクターでしょうか?

日下「松岡さんは喋りが上手で面白くて、ザ・関西人ですね。隼大は、松岡さんとは正反対で物静か。昨シーズンまで神戸でプレーしていた(今村)雄太さんに雰囲気が似ています」

確かに似ていますね。松岡選手と濱野選手には次回公開予定の『新加入選手インタビュー』にも登場してもらいますね。では「ワールドラグビーパシフィックチャレンジ2020」について話を伺っていきます。日下選手は昨年も同大会に出場されているんですよね。

日下「今年で3度目の出場です。3度目にしてようやく優勝することができ、とても嬉しかったです」

松岡選手と濱野選手は初めての出場となりました。大会は中3日での試合が続くハードな日程でしたが、どうでしたか?

松岡「中3日で試合をしたことがなかったので、遠征の前は体力的にきついんじゃないかと思っていましたが、リカバリーのメニューが充実していたので想像していたよりも疲労を感じることなく試合に臨めました。それよりもフィジーの暑さ、湿度の高さの方が辛かったです」 濱野「昨年9月にニュージーランドで試合をして以来の実戦だったので、スケジュールに関係なく試合自体がきつかったです。それに、ニュージーランドへ留学してから夏を経験していなくて...。ニュージーランドでは12月が一番暑い時期なのですが、学校が夏休みに入っているので、毎年、日本に帰っていたんです。トンガA戦やサモアA戦は曇りだったのでなんとか乗り切れましたが、フィジー・ウォリアーズとの試合は、キックオフ直後は曇りだったのですが、どんどん晴れてきて、最後はバテてしまいました」

トンガA戦、サモアA戦は快勝でしたね。試合を振り返ってください。

日下「昨年からジュニア・ジャパンとU20日本代表の指揮をされている水間(良武)監督と森田(恭平)コーチのもとで、ボールを動かしてどこからでも攻撃を仕掛けるラグビーに取り組んできました。今年は昨年培ったものをベースにスキルやスピードなどを上乗せして、良い状態で初戦のトンガA戦に臨むことができました。そこで7トライを奪って勝利し、2戦目のサモアA戦では攻守ともに完成度の高いラグビーができ、相手を圧倒することができました」

松岡選手はトンガA戦、サモアA戦でトライをマークし勝利に貢献しましたね。

松岡「2本ともモールからのトライなので、ごっつあんです(笑)。FW全員で取ったトライです」

連勝で迎えた最終戦のフィジー・ウォリアーズとの試合はどうでしたか?

松岡「トンガAやサモアAよりもコンタクトの強度が高かったので、タフな試合になると思いましたが、湿度や汗でボールが滑る状況で相手は簡単にミスを重ねて、逆にジュニア・ジャパンは粘り強くアタックし、ディフェンスでもしつこくタックルを繰り返しました。また、スクラムでも優位に立つことができた。自分たちのラグビーを精度高くできたことが勝利につながったと思います」

優勝の瞬間は?

松岡「スコアが離れていたのでラスト10分の時点で勝利を確信していましたが、ノーサイドの笛を聞いた瞬間、喜びが込み上げてきました」 濱野「僕は54分に交代しベンチにいたので、仲間のところへ駆け寄ろうとグラウンドへ一歩入った瞬間に足がつって、ひざまずいたまま立てなくなってしまったんです。現地のカメラマンは僕が神様へ祈りを捧げていると勘違いしたようでレンズを向けてきたんですけど、痛くて動けなくて(苦笑)。結局、僕はそのままの姿勢でみんなが喜んでいるのを見ていました」 日下「フィジー・ウォリアーズ戦は試合メンバーから外れましたが、仲間がこれまで勝てなかった相手を倒してくれて優勝でき心から嬉しかったです。また、ジュニア・ジャパンがみんなに楽しんでもらえる『HEROラグビー』を体現し、現地の方がジュニア・ジャパンを応援してくれていることを感じました。試合終了のホーンが鳴った瞬間、僕もグラウンドへ行こうとしたんですが、隼大を見たら足がつって痛がっていて、心配だったんですけど、何もできないし申し訳ないなと思いながら、みんなと喜びを分かち合いました。隼大は記念撮影にも入っていないんだよね」 濱野「医務室に運ばれて点滴を受けていました(苦笑)」

最後に大会に出場して見えた収穫と課題を教えてください。

日下「冬の日本からフィジーに移動し、暑い中でラグビーをしてフィットネスの面で鍛えられたと思います。また、プレッシャーのかかる試合でコベルコスティーラーズやジュニア・ジャパンで取り組んできた基本スキルを発揮でき自信になりました。課題はスピードです。相手をワンステップで抜き去るようなスピードを身に付けたいと思います」 濱野「初めて日本代表のジャージを着て試合に出場し、最初はとても緊張しましが、試合を重ねるごとにパフォーマンスが上がってきて自信を得ることができました。中3日での試合はもちろん暑い日に試合をするのも初めてでしたが、いろいろな経験を積めたことが収穫です。課題はコミュニケーション。試合中、周りの選手とのコミュニケーションが僕には足りないと感じました」 松岡「外国人チームとの対戦や外国人選手がいるチームでプレーしたことがほとんどなかったのですが、ジュニア・ジャパンには外国人選手もいましたし、試合も経験できて感覚を掴むことができました。トップリーグでは、味方にも対戦相手にも外国人選手がいますので、この経験をいかしたいと思います。課題は暑さで体力を消耗し、フィールドプレーで自分の強みを出すことができませんでした。これからフィットネスを強化していきたいです」

ありがとうございました。では3選手を代表して日下選手からファンの皆様へメッセージをお願いします!

日下「新型コロナの感染拡大により、日本中が暗い雰囲気に包まれていますが、1日も早く事態が終息し、また皆様の前で試合をして元気や勇気を届けられる日を楽しみにしています!大変な状況が続きますが、一緒に乗り越えていきましょう!」

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