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ロングインタビュー

新加入選手インタビュー Part.3 今村陽良選手&小畑健太郎選手

 取材日:2019年6月5日

新加入選手インタビュー Part.3 今村陽良選手&小畑健太郎選手

2019年度新加入選手インタビューの第2弾で登場したブロディ・マクカラン選手が、とても仲が良いと教えてくれた帝京大学出身の今村陽良選手&小畑健太郎選手。

幼なじみだという両選手の”これからとこれまで”をお届けします。

持ち味のコンタクトプレーをさらに強化し、セットプレーを磨いてレギュラーを目指します

今村 陽良

TAKARA IMAMURA

PROFILE
  • 1997年1月17日生まれ(22歳)、京都府京都市出身
  • アウル洛南ジュニアRS→京都市立伏見中学→東福岡高校→帝京大学
  • ポジション/LO
  • 身長・体重/187cm・103kg

コベルコスティーラーズは子供の頃から憧れのチーム。9番をつけてグラウンドで日本一を経験したい!

小畑 健太郎

KENTARO OBATA

PROFILE
  • 1996年12月3日生まれ(22歳)、京都府京都市出身
  • アウル洛南ジュニアRS→京都市立伏見中学→伏見工業高校(現・京都工学院高校)→帝京大学
  • ポジション/SH
  • 身長・体重/170cm・71kg

きっかけは『スクールウォーズ』の再放送!?

両選手は京都出身なんですね。

今村「引っ越ししたので今は違うのですが、昔はお互いの家がすごく近かったんです」 小畑「小学校、中学校も一緒に通っていました。高校の3年間以外はずっと一緒だったので、お互い何を考えているか、だいたいわかりますね」

ラグビーをはじめたのはいつからですか?またそのきっかけは?

小畑「父がラグビーをしていたことと『スクールウォーズ』の再放送を見たことがきっかけとなり、小2の時にラグビースクールに入りました」

小畑選手のお父様は、伏見工業高校が花園高校に0−112で敗れた時のキャプテンなんですよね。

小畑「そうなんです。『スクールウォーズ』のモデルであることは、ラグビーをはじめてから教えてもらいました」

今村選手がラグビーをはじめたのは?

今村「小3の時に小畑から誘われてはじめました」 小畑「陽良は小学生の時からとても大きくて、今の僕くらいの身長があったように思います。だから、ずっとFWで、逆に僕は小さかったので、小学生の時はスクラムハーフ、中学からスタンドオフでプレーするようになりました」

中学もラグビースクールでプレーしていたのですか?

小畑「スクールは小学生までだったので、中学では、学校のラグビー部に入りました。1年の時は、チームはそれほど強くなかったのですが、どんどん力をつけていき、中学3年の時に近畿大会で優勝しました。すごく嬉しかったことを覚えています」

高校はそれぞれの道へ

中学卒業後は、今村選手は東福岡高校、小畑選手は伏見工業高校と、それぞれの道へ進みました。

小畑「赤いジャージに憧れていましたので、父と同じ伏見工業に入学しました」 今村「スクールの先輩である藤田(慶和)さん(パナソニックワイルドナイツ)が京都から東福岡高校に進学し、花園で大活躍している姿を見て、僕も東福岡で頑張りたいと思うようになりました。実際、東福岡に入ってよかったと思います」

今村選手は高校日本一を経験しています。3年間で得たものとは?

今村「小学、中学時代はコーチの指示の通りに動いていましたが、高校ではコーチから与えられる練習内容に加え、チームに不足している部分を選手間で話し合い、補えるような練習もしていました。主体的に動くので、自主性が身につきました。優勝を経験できたことも、もちろん嬉しかったです」

小畑選手は高校1年から試合に出ていたのでしょうか。

小畑「レギュラーを獲得したのは2年になってからです。負けず嫌いなので、先輩たちよりも上手くなろうと必死で努力しました。1年の時、チームは全国高校ラグビー大会に出場しましたが、メンバーに入ることができなくて...。翌年からレギュラーとして試合に出られるようになりましたが、結局、その後の2年間は、京都府予選決勝で京都成章高校に敗れて、花園を経験することができませんでした。高校3年間は、悔しさの方が強いですね」

高校時代、連絡を取り合っていたのですか?

小畑「ほとんど取っていなかったですね」 今村「練習や試合で京都になかなか帰ることができなくて。大学で3年ぶりに健太郎と会いました」

久しぶりに会って、お互いに成長を感じましたか?

小畑「性格はまったく変わっていなかったのですが(笑)、体はめちゃめちゃデカくなっていて、びっくりしました!」 今村「高校の3年間で身長が10cm、体重も20kg増えましたから。健太郎もキャラクターは変らず、お調子者のままでした(笑)。選手としては、相手の嫌がるようなプレーがさらに増していると感じました。ただ、当時はスタンドオフをしていたので、相手に捕まった時にどうなのかなと思っていました。今はスクラムハーフをするようになり、そういうプレーが活きるようになったと思います」

優勝を3度経験した大学時代

スタンドオフからスクラムハーフに転向することになった経緯を教えてください。

小畑「大学1年の夏合宿で、試合前日に、監督から『スクラムハーフはできるか?』と聞かれたんです。10番でプレーしたいという気持ちもありましたが、それよりも試合に出たかったので、『できます!やらせてください!』と答えました。その時は、1試合だけだと思っていましたので。だけど、その試合のパフォーマンスが首脳陣から評価され、そのままスクラムハーフをすることになりました。スクラムハーフにコンバートしたことは、ラグビー人生においてターニングポイントになったと思います」

1年からレギュラーの座を掴んだんですよね。

小畑「小学生の時にスクラムハーフをしていましたが、大学とは求められるものもレベルも違います。最初はFWとの連携など難しかったですが、練習を重ねるごとに経験値が上がり、パフォーマンスがよくなってきました。でも、最初の2年間はBKにボールを供給するだけのパスマシンだったと思います」

その部分について詳しくお願いします。

小畑「1年、2年の時は、スタンドオフに松田(力也)さん(パナソニックワイルドナイツ)というレベルの高い司令塔がいたので、僕はその指示に従ってただパスを出すだけだったんです。だから、スクラムハーフとして、あまり頭を使っていなかったというか...。ゲームメイクはすべて松田さんに任せ切りでした。松田さんが卒業し、後輩の選手がスタンドオフをすることになったのですが、その時に、「僕が松田さんにサポートしてもらっていたように、彼を引っ張っていかないといけない」と思い、ゲーム全体のことを考えてプレーするようになりました」

今村選手はいつから公式戦に出場するようになったのでしょうか。

今村「2年からです。1年の時に膝を怪我し、2年の春までラグビーができませんでした。それからずっとBチームでプレーしていたのですが、ニュージーランド遠征のメンバーに選ばれたんです。だけど、現地では1試合も出ることができなくて...。帰国後、関東大学ジュニア選手権に出場し、対抗戦vs早稲田大学戦からリザーブで公式戦に出られるようになりました」

それぞれの持ち味について

どういう選手を目指しているのでしょうか?また持ち味は?

今村「持ち味は、コンタクトプレーです。ポジションは違いますが、オールブラックスのフランカー、アーディ・サヴェア選手が好きなんです。彼のようにボールキャリーができ、ブレイクダウンで激しく圧力をかけて、チャンスを作り出せるプレーヤーになりたいと思っています。試合では常にコンタクトのところで受け身にならず、しっかり前に出ようと意識しています。」

小畑選手はどうでしょう。

小畑「試合の流れや相手の強み、弱みを理解し、ゲームを作っていく。そんな頭の良いスクラムハーフになりたいと思っています。フィットネスには自信があります。あと、体は小さいですが、ディフェンスも武器の1つだと思っています」

4年の時は、天理大学に敗れて準決勝敗退となりましたが、大学時代に3度日本一を経験しました。

小畑「人生で初めて経験する日本一だったのでとても嬉しかったです」 今村「僕は、2年の時の決勝はリザーブに入りましたが、グラウンドに立つことはできなくて、1年も3年もメンバーから外れました。だけど、優勝は嬉しかったですね」

目標はグラウンドで日本一を経験すること

ところで、コベルコスティーラーズに入部して約2ヶ月が経ちましたが、チームの印象は?

今村「大学時代はとにかく練習量が多くて、質より量を優先していましたが、コベルコスティーラーズではコーチと選手がコミュニケーションを取り、疲労度を考慮したメニューを考えてくれているので、質の高いトレーニングを積むことができているように思います。また、すべての選手が自主的に練習しているからか、練習中の雰囲気が明るいと感じました。大学時代は、練習時に笑顔を見せることは考えられなかったのですが、コベルコスティーラーズでは難しいことにチャレンジして成功したら、みんなで笑いあって喜びます。今までに経験したことがない雰囲気がとても新鮮です」 小畑「僕も新鮮に感じますね。ラグビーが大好きですし、新しい環境で学べることが楽しくて仕方ありません」

今シーズンの目標は?

小畑「子供の頃から憧れていたコベルコスティーラーズで9番をつけて試合に出て、日本一になることです」 今村「激しいポジション争いを勝ち抜いて試合に出て、グラウンドで日本一を経験することです」

そのために身に付けたいことやレベルアップさせたいところは?

今村「持ち味とするコンタクトをさらに強くして、かつ、ロックとして必要なセットプレーのスキルを磨いて、レギュラーの座を獲得できるよう頑張ります!」 小畑「合流してからまだ日が浅いこともあり、戦術の理解度は、ほかのスクラムハーフの先輩たちと比べると劣っていると思います。システムをしっかり理解して、1日も早く神戸のラグビースタイルに慣れていきたいと思います」

今後の両選手の活躍を期待しています。

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