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2011-2012シーズン インタビュー

取材日:2011年6月7日

平尾誠二GM兼総監督

ゼネラルマネージャー兼総監督として、チームの成長を見守る平尾誠二氏に、今シーズン、選手に期待すること、チームとしてあるべき姿を聞いた。

平尾誠二 GM兼総監督 選手の試合に臨む意思の強さ、プライド。それが神戸らしさに繋がる。

優勝を狙える戦力は整った今シーズンは勝負の年

昨シーズンの納会時に、「光が見えたシーズンだった」と挨拶されたのが印象的でした。
「シーズンが深まるにつれ調子を上げ、今シーズンに期待をもたせる試合を終盤に見せてくれました。4強に肉薄するところまで来たと実感しています。ただ悔やまれるのが、前半節で3連敗を喫したこと。主将である平島が怪我により戦線離脱したことも要因のひとつではありますが、彼の不在を補える選手が出てこなかったというのが、非常に残念。またシーズンを通して、平島のポジションだけでなく、レギュラーが怪我等で試合に出られない時に、チャンスを与えられた選手から、溢れんばかりの気迫やレギュラー選手にはない何かを感じることができなかった。チームの底上げという意味でも、今シーズンは、これまで試合に出ることができなかった選手が、試合に出ていた選手を脅かすような存在になって欲しい。近年、有望な選手が多数入部し、戦力は充実してきたと思います。今季は、頂点を目指す上で勝負の年だと、皆が肝に銘じて、己を磨いて欲しいですね」
今シーズンのチームスローガンは、「MOVING RUGBY?EVOLUTION?」です。平尾GM兼総監督は、特にどの部分に進化を期待されていますか? ※EVOLUTION=進化
「局面、局面における個人の判断ですね。意図的に攻めている時はいいのですが、意図せず相手からボールの提供があった時、瞬時に攻めることができるのか。意図せず相手にボールを渡してしまった時に、瞬時に守り切れるのか。強豪と言われるチームは、そのボールを一気にトライへと持っていきますし、しっかり守り切る。逆に神戸は、トライできるチャンスなのに稚拙な選択をしてしまうことが多々あります。ここぞという時に、的確なプレーができるのか。個人の判断力を鍛える必要があります。またゲームの抑えどころはどこなのか、ここを抑えておけば勝てるというポイントを見極められる選手が、もう少し増えてこないといけない。後2、3人増えてくると、ゲームがスムーズにできるようになる。ここぞという時にトライを奪い、14点差が21点差になり、相手も慌て、そこでもう3点を獲り、トドメを刺す。こういう計算ができる選手が何人いるのか。まだ少ないと思いますのでそれも課題ですね」
今シーズン、FWコーチにOBの小泉和也氏を招聘されましたが、小泉氏にはどういうところを期待されているのでしょうか。
「今、話したようなことは、苑田の持っている能力で十分指導していくことはできますが、小泉には、苑田にない部分を期待しています。コンタクトの部分で、いかに相手に厳しく迫れるのか。『頭から行け』という部分を、若い選手に伝え、ガツガツと、激しいプレーを教えていって欲しいと思います」
指揮官2年目の苑田ヘッドコーチに対してはどうでしょうか?
「彼は、昨シーズンの1年間で非常に成長したと思います。3連敗という追い込まれた状況でも自分の姿勢を貫いてやり通した。それが最終的に、シーズン終盤のチームの成長へと繋がったのだと思います。良い経験を積み、自信を得たと思いますので、慢心しないように、今シーズンも謙虚にやっていって欲しいですね。あとは選手の育成。キツい時でも我慢する、どんな状況でも厳しさを持ってやり切る、というような選手が少ないように思いますので、徹底的に意思統一をさせ、厳しさを持った選手をもっと育てていかないと。そういう厳しさを持った選手が、4強に比べると少ないように思います。例えば、この試合では、絶対にボールを落とさない等、自分でルールを設定してやり切る。それができなければ、自分に対して罰を与えるぐらいに厳しくやっていかないと。本来ならば誰かに言われるのではなく、選手自身が自分で目標を設定し強い意志を持ってやれるようにならないといけないんですけどね」

選手には意地とプライドを持って戦ってもらいたい

選手に対しての要望は?
「戦力は整ってきたと思いますし、他チームもそれは感じていると思います。あとは、各選手が、キツいところで一歩も引かない、絶対に抜かれないという意地を持って試合に臨めるか。それが、あと1cm、2cmのところで効いてくるんです。派手なプレーもいいですが、ラグビーの醍醐味は、キツい場面でどれだけ身体を張れるかという泥臭いところにあると思います。そういうお互いの意地が激しくぶつかり合う試合というのは、感動を呼びます。昨シーズンの終盤には、それが少し見えてきたので、今シーズンはさらに磨きをかけて、意地とプライドを持って戦って欲しいですね」
平尾GM兼総監督が考える理想のチーム像というのは?
「私の好きな言葉に『※和して同ぜず』という言葉があります。和することとは、個性の違うもの同士が集まり価値を引き出し合って、また違う価値観を生み出すこと。そしてその個性を発揮する上で、規律を守るというのは当り前のことです。規律を守れての個性にもかかわらず、それが守れずに個性だと勘違いしている人間も多い。これからの神戸は、規律をしっかり守って、個性を出し、お互いに高め合うチームになって欲しい。僕がキャプテンをしていた時は、個性的なメンバーが顔をそろえましたが、規律の部分は厳しく言ってきました。今、それができる選手は、林(慶鎬)、松原(裕司)、平島(久照)、そして伊藤(鐘史)。彼らが中心となって、『和して同ぜず』というようなチームを作っていって欲しいと思います」
※人と争わず仲よくするけれども、自分の意見というものをしっかり持っていて、いたずらに妥協したり調子を合わせたりしないこと。
今言われたようなことを含め、期待している若手は??
「ルーキーの田邊(秀樹)、中川(昌彦)。彼らは技術面ではまだまだですが、非常にいい姿勢でラグビーに取り組んでいます。そして2年目の野田、大窪。特に野田は、常に自分に厳しくベクトルを向けていますね。あと、清水、橋本。橋本は、昨シーズン、殻を破ったように思います。元々メンタルの強い選手でしたが、練習から意地を持ってやるようになった。山下にも期待していますよ。彼はシーズン後半に入り、非常に良くなってきましたから。常に気持ちを引き締めて、自分に厳しくやっていって欲しいと思います。どの選手もいいものを持っていますので、あとは意地とプライドをどれだけ持てるのか。それが最後の最後に獲り切ったり、守り切るということに繋がります。今はそうでなくても、変わることはできる。若い選手がどのように変わっていくのか、楽しみでもあります」せたりしないこと。
昨シーズンからボールを激しく動かすラグビースタイルのチームが増えてきていますが、その中でコベルコスティーラーズはどこで独自性を見せるのでしょう?
「各チーム、ゲーム運びが似てきている中で、見ている方々に伝わるのは、最後はメンタリティだと思います。試合に臨む意志の強さ、プライド。それらを賭けて、守り切る、ボールを繋ぐようなゲームをすることが、神戸らしさに繋がるのではないでしょうか。今シーズンは、全試合でそのようなゲームをしてくれることを期待しています」
では最後にファンの皆様方にメッセージをお願いします。
「いつも温かい応援をお送りいただき、ありがとうございます。ここ数年で、随分戦力は整いましたので、あとは開幕から選手が力を爆発させるだけです。今シーズンこそ頂点に立ち、ファンの皆様方と喜びを共有できるシーズンにしたいと思いますので、これからも熱いご支援・ご声援を賜りますよう、よろしくお願いします」
INTERVIEW

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