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ロングインタビュー

退団選手インタビュー Part.2 尾池 亨允選手

 取材日:2022年5月18日

退団選手インタビュー Part.2 尾池 亨允選手

尾池 亨允

KOSUKE OIKE

PROFILE
  • 1996年7月7日生まれ、宮崎県日向市出身
  • 日向高校→関西大学→近鉄ライナーズ→宗像サニックスブルース→コベルコ神戸スティーラーズ(2020年度)
  • ポジション/プロップ
  • 2021−2022シーズンまでの公式戦出場回数/2

「ラッシーさん、ヤンブーさんをはじめ、 みんなから影響を受けた2年間でした」

2シーズンはどうでしたか?

「これまでのチームでは試合に出ることができていたので、神戸でも出場の機会があると思っていたのですが、その自信は粉砕されて…。まだまだ成長しないといけないと気付かされましたし、ラッシーさん(平島久照)やヤンブーさん(山下裕史)という長年第一線で活躍するベテランの凄さを目の当たりにした2年間になりました」

平島選手、山下(裕)選手のどういうところに『凄さ』を感じましたか?

「まずラッシーさんのスクラムを極めようとする姿勢。スクラムの知識も豊富で、抜群のテクニックの持ち主なのに、毎日、iPadでスクラムの動画を入念にチェックされている。スクラムにとこんとんこだわり、こまかいところを追求する姿に感銘を受けました。それから、ヤンブーさんは、社員として働いているので、プロ選手に比べると時間がないのですが、早朝やオフの日に時間を作ってトレーニングされています。1年目はそれを知らなかったのですが、2年目になって気付いて、ヤンブーさんが見えないところで努力されていることを知りました」

山下(裕)選手の早朝トレーニングに参加されていたと聞きましたが。

「2年目に、ヤンブーさんから『3番』の選手は一緒に練習しようと声をかけていただきました。最初は『3番』の選手全員が参加していたのですが、どんどん脱落者が出て、最終的に残ったのは僕だけになりました(笑)。早朝トレーニングに参加させていただいたことも良い思い出です」

今後はどうされるのでしょうか?

「カンビー(カンバーランドコーチ)から『プロップは30歳から』と言われてきました。まだ29歳ですので、これからもラグビーを続けたいと思っています」

カンバーランドコーチからどのようなことを教えてもらいましたか?

「気持ちの部分を教えてもらいました。相手を倒すような気持ちでスクラムを組むように言われ続けてきたのですが、なかなか激しさを出すことができなくて。近鉄時代と比べると随分と良くはなったのですが、まだまだ激しさが足りないと言われました。カンビーがスティーラーズに入団するきっかけを作ってくれたので、試合に出て恩返しをしたかったのですが、できなかったことが悔やまれます。カンビーは、プロップは経験が重要だと言っていたので、30歳を越えてもラグビーを続けられるように頑張ります!」

印象に残っている試合を教えてください。

「公式戦の出場は2試合のみ。初めて出た今シーズンの第12節グリーンロケッツ東葛戦は1分しか出番がなくて…。印象に残る試合となると、第8節東京サンゴリアス戦です。後半18分から出場し、スクラムを押されて、チームも大差で敗れましたが、楽しかったです。あの試合、スクラムの時に『これは押されるな』と感じたのですが、負けている状況で組み直して時間を使ったらいけないと思い、素直に組んでしまって、そのまま押されてしまいました。ヤンブーさんだったら組み直して、良いポジションを取ってスクラムを組んでいたと思います。自分の経験のなさや甘さが出て、スクラムでやられてしまいましたが、この失敗から学んだことはたくさんあります。ただ、スクラムはプレッシャーを受けましたが、個人的にはフィールドプレーが良くて。収穫と課題が出て、印象深い試合になりました」

影響を受けた選手を教えてください。

「ラッシーさん、ヤンブーさんはもちろんですが、前川さん、井関からも影響を受けました。前川さんは人間性がとにかく素晴らしい。トレーニングは絶対に手を抜かず、誰よりも一生懸命取り組まれていますし、普段は優しくてフレンドリーですが、厳しいこともきちんと言ってくださる。一度メンバーから外れた時に、悔しさが顔に出てしまって、前川さんから『態度に出すな』と注意されたんです。バックボーンにも試合までの準備を含め大事な役割があるし、僕がそういう顔をすることで周りに悪い影響を与えると。確かにそうだなと思って反省しました。僕は後輩に厳しく言えないタイプなので、前川さんは憧れの先輩です。井関は、チームをまとめるために、いろいろなことを企画してくれて…。チームのために何かできないか考えて行動する姿に感心しました。名前をあげた4選手だけでなく、後輩を含めてみんなから影響を受けて、素晴らしい2年間を過ごすことができました」

チームに期待することやチームメイトへメッセージを。

「人生初の優勝を経験したいと思い、スティーラーズに入団しました。僕がいる2シーズンでは、それは叶わなかったですが、来シーズンは、なんとしても日本一を達成して欲しいです。みんなの努力は知っていますので、応援しています!」

ファンの皆様へメッセージをお願いします。

「コロナ禍ということもあり、ファンの皆様と直接お目にかかる機会がなかったことを残念に思っていたのですが、最後の最後に『SteelMates感謝祭』が行われ、皆様のチームへの情熱や愛を感じることができて、嬉しかったです。ファンの皆様からはSNSを通じて応援コメントをいただき、力をもらっていました。これからもスティーラーズの応援と、僕のことも引き続き応援してもらえると嬉しいです!2年間ありがとうございました!」

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